起きてはいけない事故が起きてしまいました。
2024年4月6日、阪神競馬場のレースに出走していた藤岡康太騎手が、
落馬事故により死亡。
競馬関係者をはじめ、ファンの間でも悲しみに包まれています・・・。
なぜ今回のような事故が起きてしまったのか?
その原因と、藤岡康太騎手の功績について振り返ってみました。
藤岡康太騎手の落馬原因
事故が起きたのは、阪神競馬場第7レース。
落馬したのは、ベテランの藤岡康太騎手です。
藤岡さんはスウィートスカーという馬に騎乗していましたが、走行中に
前を走っていた馬に接触・転倒。
落馬たところを後ろから来た馬に頭と胸を蹴られてしまい、重症を負いました。
すぐに救急車で運ばれ、病院で医者が治療を施したものの、手遅れでした。
兄の藤岡佑介さんによると、担架に乗せられた時点で意識はなく、いつ事切れても
おかしくない状況だったそうです。
4月10日午後7時49分に他界。
享年35歳という、短い生涯でした。
葬儀に出席したのは、父親で調教師の、藤岡健一氏と兄で騎手の藤岡佑介氏。
他にも、武豊騎手や、同期の浜中俊騎手などが参列しました。
弔事を読む際に、家族が悲しんでいたのは当然として、武豊さんが
号泣しながら読んでいたのは、印象的でした。
競馬による死亡事故は、国内だけで20件も起きており、有名騎手でいうと
竹本貴志さんや岡潤一郎さんが亡くなっています。
また、つい最近も高知競馬場で塚本雄大騎手が落馬事故で死亡しており、
いかに競馬という競技が危険であるかを認識させられます。
まあ、騎手たちもハイリスク・ハイリターンなことは承知の上で
仕事をしているのでしょうが、それにしてももう少し事故を減らすことは
できないのでしょうか?
なお、スウィートスカーの今後は他の騎手が乗り替わりとなるか、
引退の可能性もありえます。
競艇とかオートレースだったら、乗り物が故障したら処分すればいいですが
馬は生き物なので、殺処分するわけにはいきません。
藤岡康太が落馬した時、踏んだ馬と騎手
藤岡康太騎手 落ちかたもだけど
直後の 田口寛太騎手 は右にさけようとしてだめでその馬に踏まれ
後続の 吉村誠之助騎手 はよけようとすらできず
馬のほうが咄嗟に飛び越えようとして運悪くその後ろ脚に
後頭部をものすごい力で蹴りぬかれてる
今村聖奈騎手 と馬はかろうじて回避できてた
残念 https://t.co/XTuAtyUVxe— 【 group方 】真田紐幸【 topos方 】 (@EsemShibaristJr) April 8, 2024
JRAでは、パトロールビデオというものでレースの様子を撮影しており、
事故状況を確認することが可能です。
パトロールの映像で問題の事故シーンを見てみました。
藤岡康太さんが胸を踏まれている場面は見えましたが、頭を蹴られている状況は
分かりづらいです。
頭部のダメージは2回もあり、踏まれたか蹴られたのでしょう。
騎手の頭を保護するヘルメットもあるものの、落馬する角度が悪いと、首を怪我したり、
他の馬に蹴られると致命傷になります。
馬の体重は400キロもあるので、人間の大人7人分が上から落ちてきたと想像すると、
いかに危険であるかがわかります。
また、内柵に引っかかったり他にも原因はたくさんあります。
バイクに乗る人はわかるはずですが、いくらプロテクターで保護していても
高速道路を100キロ近いスピードで走っていたら、転倒すれば危ないですよね。
それと同じで、プロテクターがあっても身の安全が保証されることはないのです。
それで、肝心の藤岡康太さんを踏みつけた馬に騎乗していたのは、
田口貫太騎手と吉村誠之助騎手です。
まさかふたりとも、前を走っていたスウィートスカーが転倒するとは
夢にも思わなかったでしょう。
当然、二人共故意に踏みつけたわけではないので、責める必要はありません。
まだ20歳くらいと若いので、心理的に今後の競馬人生に影響が起きないか
気になります。
ちなみに、岩田康誠騎手も過去にレース中、後藤浩輝騎手を踏んでしまった
ことがあります。
岩田さんはあのような性格なので、息子にも「俺は人殺しや」というくらい
サバサバしており、現役を続けています。
打たれ弱い性格だったら、騎手なんて危険な職業はやってられないのでしょうね。
それから、今回出走した今村聖奈騎手も、前方の異変にいち早く気が付き、
落馬事故に巻き込まれる前に回避しました。
藤岡康太のG1成績
藤岡康太さんは、G1を2勝しています。
勝ったのはマイルCSで、ナミュールに騎乗していました。
NHKマイルにも出走し、ジョーカプチーノで勝利しています。
G2、G3を含めると25勝しているので、実力のある騎手であることは
疑いようのない事実です。
年収は1億円を超えており、賞金ランキングも全騎手のなかで11位。
競馬に限らず、日本のなかでもトップクラスの高収入でした。
それだけに、今回の落馬事故が残念すぎますね。。
藤岡康太は同期と仲良しだった
藤岡康太さんは2004年に競馬学校に入学しています。
第23期生で、同期生に以下の騎手たちがいます。
浜中俊
丸田恭介
荻野琢真
草野太郎
田中健
宮崎北斗
丸田恭介騎手も葬儀に出席予定でしたが、なんと食あたりを起こしてしまい、
出席不可。
このせいで、一部の競馬ファンから呆れた声が出ています。
丸田さん本人も、葬儀に出たくないのでわざと変な食べ物を食べたわけではないはず。
インタビューでも藤岡さんのことについて聞かれ、涙ぐんでいましたし、
同級生が亡くなり嘆いているのがわかります。
まとめ
藤岡康太さんが死去したニュースはかなり話題になり、
各ニュースサイトでもトップで報道するほどでした。
競馬場に訪れたファンは2日間で約1万5000人、記帳して生前の藤岡さんの写真を
見ていました。
献花も8000基を数えており、訪問者がこれだけ多いのは、亡くなった騎手としては
最多ではないかと。
藤岡さんは人気歌手”ももいろクローバーZ”のファンであり、彼女たちの音楽を視聴し、
雑誌で対談するほどの仲でした。
推しメンだった佐々木彩夏も、公式ホームページで「藤岡康太騎手へ」と
追悼メッセージを載せています。
プライベートでは2020年に結婚し、3年後に男児をもうけています。
藤岡さんの子供が将来、騎手を目指すかどうかはわかりませんが、
競馬関係者の仕事に就くのではないかと予想します。
目標とする騎手にイタリアの名騎手ランフランコ・デットーリをあげており、
長生きしていればトップリーディングになれた可能性もありました。
それだけに、今回の事故は残念無念としか言いようがないですね。
ただ、兄の藤岡佑介騎手をはじめ、同期の騎手たちも引退するつもりはないので
彼らの活躍に期待しましょう。